丘を越えて

今日は予定がなかったので、午後から散歩に出かけた。

五条坂のカフェにふらっと入ってみたら、いい店だった。
ラジオが流れていて、知らない曲が次々と聞こえる。

心に止まった曲があった。
矢野顕子の「丘を越えて」だった。
初めて聴いたが、感動した。
調べてカヴァー曲だと知った。

でも矢野さんのあの、胸がきゅんとする編曲がとても好き。

Wikipediaで調べて、曲のなりたちにまたぐっときた。

<『丘を越えて』の曲は古賀政男明治大学マンドリン倶楽部の後輩と稲田堤(現川崎市多摩区)にハイキングに行った際、満開に咲き誇る桜を背に酒を酌み交わし、下宿に戻り、ふと学帽についた一枚の桜の花びらに気がついた。これを見て二度と帰らぬ若さと青春がいとおしくなった。>

情景が浮かぶようです。
今とは違う時代。けして色んな意味で、
今よりよかっただろうと言えないけど、きっと私たちよりもっと熱いものを持っていただろう当時の若者たち。

胸の血潮、とか
そういう言葉ってもう使わない。
自分の身体性を意識することは少ない。
何だろう、昔の歌ってそういう歌詞多くないかな?

手のひらを太陽に透かしてみれば真っ赤に流れる僕の血潮、とかね。

じっくり自分の身体に向き合うことがない。まるで心までデジタル化に追いついて合理的になってるんですと言うかのごとく。
心はそんなわけにはいかない、ただ鈍感になっただけだよ、私たちは。

昔の日本人に、一所懸命生きてるか?シッカリしろよ、と言われた気がした。

日本語って美しいよなぁ。
洋楽ヒットチャートも好きだけど、日本の作品ってやっぱり好きだ。

----------

作詞:島田芳文、作曲:古賀政男、唄:藤山一郎
1 丘を越えて行こうよ
  真澄の空は 朗らかに晴れて
  楽しい心
  鳴るは胸の血潮よ
  讃えよ わが青春(はる)を
  いざゆけ 遙か希望の丘を越えて

2 丘を越えて行こうよ
  小春の空は 麗(うら)らかに澄みて
  嬉しい心
  湧くは胸の泉よ
  讃えよ わが青春(はる)を
  いざ聞け 遠く希望の鐘は鳴るよ