みんなにありがとう

彼と別れて、まず父に電話した。
私の幸せを心から祈ってくれた。晴れの日も雨の日も、よく寝てよく食べ、私の人生に幸あれと言ってくれた。
大好きな父。

それから社長ことHさんに電話した。
彼は大きな本屋に行く途中で、その事実を聞いて「リコさんに本をプレゼントしよう」と言った。
その数時間後落ち合い、カーネギーの「道は開ける」、小池龍之介の「「我」を張らない人づきあい」を贈ってくれた。
いつも彼は魚を与えるよりも釣竿を、という考え方で私に道を示してくれる。
こんな人生の先輩であり上司である、信頼できる人は他にいない。
去年の5月、シェアハウスで出会って偶然の出会いをしてから 私の人生を良い方向へ激変させてくれた。

Hさんと会った後は 中学のときからの友人に電話した。
ひきこもっている時からの私を知っている友人。恋愛マスターだ。
彼女もつらい失恋をしたが、今は新しい人ができたという。
その時の経験を聞かせてもらい、希望が持てた。
何時間でも電話に付き合ってくれる。人生の大変なときにはいつも私を支えようとしてくれる。
私は彼女にどれだけ返せているだろう、と思った。

母に電話した。
母に相談するのは正直賭けだった。機嫌が悪ければ、罵詈雑言が飛んできかねない。
しかしこのときはうまくいった。難しそうならすぐ電話を切るつもりだったが。
冷静に私に起こったことを聞いてくれて、強くなったねと言ってくれた。
私が親に求める理想の対応だった。とても、嬉しかった。
油断はならないけど、話せそうなときにはちゃんと報告したりしようと思った。

最後に、関東に住んでいる大学時代からの友人と話した。
友人は、ツイッターでの私の報告を見てすぐに一度電話をくれていた。
互いに用事があったので夜に掛けなおしたが、「泊まりにおいで」と言ってくれた。
彼女は私の人間関係の中で一番といっていいほど、私の心の動きを自分のものとして理解してくれる。
心のメカニズムが似ているのだと思う。
似ているからこそ、痛みをわかってくれる。共感し、そんなときどんな言葉が欲しいか察知して
語りかけてくれる。いつも、いつも助けられている素晴らしい人。



昨日一日は、彼らに救われた。
ほとんど眠れず、食べられなかったが、今日になってどちらも回復した。
私は絶望していない。人に支えられ、本や新たな様々な取り組みで、自分を前に進めていく。

彼との最後の電話で「リコちゃんは本当に強くなったよ。」と言ってもらった。
私の6年間の 誰も知らない部分まで知ってくれている人。
「ずっと忘れない」と言っていた。
「自然に話せるようになったら、リコちゃんがどんなふうに6年生きていたか、いつでも話すからね」と。
私はすぐに忘れてしまうから。
私の一番きっと美しかった時代を愛し続けてくれた。

これまで何度も 精神的に危機が訪れた。
それは私が、持つべき武器を持っていなかったからだと思う。
悲しいけど、幼い頃にもらうべき愛情をもらえなかったからだと思う。
だけどそれが原因で死ぬことも、立ち上がれなくなることもなかった。
その程度には、生きる方向へ向かうエネルギーが備わっていた。

この日記をいつか読みかえす、自信のなくなったとき
生きていけないと思ったとき。私を愛してくれる人もいるとわかるように。