レオ・レオニ

今月、京都駅の伊勢丹にある美術館で、レオ・レオニ展をやっていた。

わたしは割と早くに、友達と見にいった。その時はお金がなかったから、昨日、改めてグッズだけ買いに行った。

レオ・レオニの絵本って、今まであまり読んだことがなかった。
小さいとき、たくさんの本を読み聞かせてもらったけど、覚えているのは「スイミー」くらい。

展覧会を見に行く前に、予習しようと本屋で絵本を読んだのだけど、感動しまくってしまい、本屋で涙をこらえるのに必死だった。その感動は展覧会に行って、グッズを買って、さらに増幅した。

レオ・レオニの絵本には動物たちがたくさん出てくる。特によく出てくるのはネズミ。
切った紙を貼り合わせたネズミたちは、シンプルなのにとても表情が豊かで、すごくかわいい。

中でも一番好きになったのは「アレクサンダとぜんまいねずみ」。


人間に厄介者扱いされながら暮らすネズミ、アレクサンダはぜんまいじかけのネズミのおもちゃ、ウィリーと友達になる。ウィリーは人間の女の子のお気に入りのおもちゃ。いつもちやほやされていて、アレクサンドラはウィリーがすごく羨ましい。

アレクサンダはある日、いきものを別のいきものに変えるトカゲの話を聞く。
自分もぜんまいじかけになって、人間にちやほやされたいアレクサンドラは、
トカゲに会いに行くと、満月の晩に紫色の小石をもってこいという。アレクサンダは小石を探すが、なかなか見つからない。

ある日、がらくた入れにウィリーが入れられている。持ち主の女の子が新しいおもちゃを手に入れたため、もうすぐ捨てられてしまうのだ。
その時アレクサンダは、どんなに探しても見つからなかった紫の小石を、がらくた箱の陰に見つける。

ちょうどその日は満月、急いで小石を持ってトカゲのもとへ向かうアレクサンダ。トカゲは「なにをなにに変えたいんだい?」と聞く。
アレクサンダは「ぼくは…」と言いかけて、「ウィリーをぼくと同じねずみにして!」とさけぶ。

家に帰ると、がらくた箱はからっぽ。
アレクサンダが、だめだったかと落ち込みそうになったその時、壁の穴に、ほんもののネズミになったウィリーを見つける。そしてふたりは、一晩中よろこびのダンスを踊るのだ。


絵本の中のネズミはちいさくて、弱い存在だけど、必死で生きていて、勇敢だったり、愚かだったり、芸術の持つ意味を見出したり、自分が自分らしく生きることの大切さを教えてくれたりする。
レオ・レオニの絵本のネズミたちの行動は、まるで人間の営みと一緒なんだ。

わたしは今思い出しても、ちっぽけなネズミの冒険に涙が出る。小さいからこそ、弱いからこそきっとこんなに伝わるんだ。
ウィリーをうらやむ気持ちや、トカゲに「ぼくは…」と言いかけてやめたアレクサンダの勇気。
とても人間くさくて、愛すべきキャラクターなのです。

レオ・レオニが絵本に込めた考え方は難しいものもあるようだけど、たくさん読んでじっくり考えていきたいな!

これから絵本を集めよう!