エンプティチェアテクニック

先日、通っているDV加害者更生プログラムにて、エンプティチェアテクニックを受けてきた。
基本的には交流分析の勉強会で、そこにゲシュタルト療法も加えたプログラムになっている(詳しいことはわかりません。)

エンプティチェアテクニックでは、椅子を何脚も空間に置き、過去の自分の気持ちになったり、私の場合は母親との間に問題があるので、当時の母親の気持ちになったり、今の自分の問題に立ち返ったり、あるいは将来的に問題を克服した自分の目線から過去の自分に話しかけたりするというワークをする。

これは田房永子さんの「キレる私をやめたい」で読んだもので、田房さんはゲシュタルト療法のセラピーに行きこれを受けたと書いてあった記憶がある。(あれは座布団だったけど、たぶん同じもの。)
なので、「まさにマンガに書いてあったアレじゃん!」と興奮した。

まずは幼少のころの自分の、「母に置いてきぼりにされる自分」に立ち返る。
そうすると自然と涙があふれてきて、ものすごく不安な気持ちになった。

そこで椅子を座り替え、母のポジションへ。そこから小さい自分を見つめるような感覚で、セラピストに質問されたことに母の視点から回答する。「この子、寂しいと言ってますが、なぜでしょうか?」など。
他人の感覚なので難しいかと思ったが、自分でも驚くほどすらすらと回答が出てきた。「この子はもともと神経質な子なんです。」と。

そこから今度は今の自分の椅子に座り、「それはおかしいでしょう」と、今度は怒りの感情に心がシフトしていく。

次はその怒りの感情を発散させるため、セラピストが用意してくれた丸めた新聞紙で、「自分で産んだんだから自分で面倒を見ろ!」「人のせいにしてるんじゃない!」と絶叫しながら、同じく用意してくれた枕をたたきまくる。
最初はセラピストに誘導されているが、徐々に自分の気持ちで、自分の言葉で枕を殴れるようになる。
(この時も涙が出た)

落ち着いたら、最後に小さかった自分に今の自分が声をかけてやり、更に「今の問題を克服できた未来の自分」が抱っこしてやる、というワーク。

なんとも凄まじかった・・・
人前であんなに絶叫したり涙を流したりってなかなかないよな。

中でも印象に残り続けているのは、母に憑依したことだ。
「この子は神経質な子だから、すぐに寂しがるんです」(私のせいではない)
「どうやってかわいがったらいいかわからないんです」(母自身問題を抱えている)
というセリフがすらすらと出てきたし、自分の本音を言う以上に涙が止まらなかった。
それが、衝撃だった。

今まで、「神経質な子だから、しょうがないんです」といった母の責任逃れの言葉はたくさん聞いてきたような気がする。でもそれが、「責任逃れ」であると認識したことがなかったというか。
セラピストに、「小さな子のせいにするんじゃない」と言われてようやく気付いたのだが、たぶんそういう言葉というのは日常的に母が他の大人に言うのを何度も聞かされていたんじゃないかと思う。

正直、このセラピーを受けたから、今後今の問題(彼氏が飲みに行って、帰ってこないんじゃないかという恐怖でパニックになる)がすぐに解決するかどうかはわからない。
でも、今までの来談者中心療法のカウンセリングでのその場しのぎ的なやり方よりはずっと根本を安全な形でえぐってくれたような気がする。(カウンセリングで得られるべき効果が、自分の場合正しい形で得られてない可能性もあるので、カウンセリング自体を否定するわけではありません)

ひとまず、DV加害者更生プログラムはかなり自分にとっていい影響がありそうなので、通い続けようと思う。
これは久々に良い自己投資をしてる。
セラピストに、「あなたもセラピストになればいいのに」と言われた。今まで臨床心理士にかなりこだわりを持っていたのだが、メソッドがしっかりしていて、自分自身しっかり矜持を持ってやっていくのなら、認定資格のようなのでもいいのかもしれないな。まあそんなのは、まず自分の問題にとことん向き合った後の話。勉強するのは普通に面白そうだけど~。


そして今日、母の夢を見て目覚めた。
詳しくは覚えていないけど、いつも夢の中の母は笑顔だ。笑顔で、追いかける私を見捨てたり、私のしてほしくないことを全力でしていて、止めても聞いてくれなかったりする。
とにかく私の話を聞いてくれないというイメージだ。

夢を見て目覚めた後、彼に頼りたくてものすごく寂しくなった。
まあでもそういうことに対応できる人ではないので、ただただ寂しい思いを噛みしめただけだった。
大人になってもずっと夢に出てきて、困らせてくる。非常に、困る。

母から連絡が来た事、夢に出たこと、最近思い出した、昔の母の言動など、思いついたことを次回の「再決断」に向けて書き留めておこうと思う。