震災から23年

阪神淡路大震災の特番を見てる。
両親を亡くした子供達が大きくなって、20代30代になっている。

取り上げられていた1人は、出産の時に「パパとママのところへ行きたい」って絶叫してて。

もう1人は、「死んだ家族のぶんまでしっかり生きないと」と思って、でも人間関係につまずいて引きこもってしまって。

その叫びとか、担ったものの重さとかが、今は静かなその人たちの目とか声からありありと伝わってきて。

喪失感はすごく静かなものなんだなって。
最初に出てきた人は絶叫してたけど、そうじゃなくて。
すごく静かな感情なんだなって思った。

私の彼の家族は幸いみんな生き残ったけど、やっぱり、彼の背負ってしまったものや、体験してしまったことの凄まじさの片鱗を感じた。

彼の体験したことや想いをわかることはできないけど、少しでもわかりたいとずっと思ってる。

彼の、全てに期待していないようなところとか。
フワフワして、でもギリギリ暗くなくて、いつも幸せそうにしてるところとか。
自分には、何かを与えられなくても平気そうなところとか。

多分23年前に家と一緒に喪失して、おいてきてしまった重要なものがあるんじゃないの?と思う。

平和で、ハッピーで、ヘラヘラしてるけど。
大事なものをなくして、なにかを心の奥の方にしまったままにしてるんじゃないかと思う。

震災のことがあったからって、どうなんだって、思ってたけど。
なくしたとか、なくしてないとか、部外者の自分には想像しかできないから。でも時々そういう話になった時とか、故郷につれていってくれた時とか、やっぱり、重要な出来事だったに違いないんだ、と思ったことがあった。

もう、その前に戻ることはできないから、なにかを失ったとしたら、失ったままの彼と、これからも一緒にいる。