趣味の話

生と死・アイデンティティに関わるような、存在自体を問うような、魂を揺さぶる作品が、好きです。
生を感じられるものなら、グロテスクでも、問題ありません。

本来自然や野生なんて、グロテスクだと思うんです。
自然をどうこう、まったくの無垢のきれいなもののように言うのは好きじゃありません。

朝陽が昇る海とか、青空のもとの山とか、きれいだけど、それはそれらが経てきた時間と、多くの犠牲や生々しさのうえに成り立つ美しさだと思うんです。



私にとっての「きれいなもの」は、たいてい醜さがあるから際立つもの、です。
私が認められる、純粋無垢な「きれいなもの」って少ない気がするな。

だからかすごく影のあるものに惹かれる。
歪で、不完全で、でも異様な魅力を放つもの。

いわゆる感動映画では泣けないし、見る気も起りません。

リアルがないように感じられるんだろうな。
私にとっての「本物」ではない。

醜さとか狡さとかが描かれてこそ、リアリティをもって心に飛び込んでくる。



何が書きたかったんだろう。

…うん。そういう作品に、出会いたいなぁ。