スーパー銭湯にて人生を思う

結局家をとびだしてスーパー銭湯で一夜を明かした。
隣の駅なのに、行ったことがある場所なのに、まるで知らない街の知らない場所みたいで、清潔なタオルとか、塩素の匂いとか、着心地の良い館内着とか、誰も干渉しあわない雰囲気とか、穏やかで精緻なもろもろの要素にとても救われた。

身体を綺麗にして、ゆっくりお風呂に入って、予約しておいたリクライニングチェアをMAXに倒して、眠剤を飲んで眠りにつく。

隣の人は独り言を言いながらチェアに備え付けられたテニスの試合を見てブツブツ言っていたけど、驚くほどすんなりと眠ることができた。

桐野夏生の「魂萌え!」とか「だから荒野」を思い出した。
どちらも、主婦がそれまでの生活を捨てて(捨てざるを得なかったりして)新しい生活を模索する話。
痛快で、大好きだった。
いずれも手放してしまったから、後でブックオフにでも寄ってみようかな。

引っ越し真っ只中という今の状態でなければ、本当は父のいる高知なんかに逃亡したい気分。
引っ越しでお金もないし、荷造りしないといけないし、無理なのだけど。

でも、しばらく夫に会いたくない。
彼には彼の言い分があるかもしれないが、私から見れば完全に支離滅裂な夫。
愛してるし、大好きだけど、今は距離が必要な気がする。

昨日の朝彼が外に出ていってから会っていなくて、今日の夜帰る予定だから、2日弱会わないわけだけど、彼は一体なにを考えているのかな。

支離滅裂であることに開き直って、しゃーないやろ、と思っているのかな。
それとも、なんでおれはこうなんだろう、と思っているのかな。

お互いがやる気さえ失わなければ、夫婦という関係性はまた持ち直してくれると思う。
結婚したばかりだし 笑 さすがに別れたいなんて向こうも思っていないと思うけどね。

最近あまりにも一緒に居すぎたし、環境の変化を目の当たりにして、彼も不安定なのかもしれない。
でもそれは私も同じだ。
自分の望んでいない場所に、彼の都合で引っ越すことになって、感情的なケアは彼にはしてもらえない。
自分の機嫌を自分で取って、ただ淡々と、事務的に、やるべきことを進めてきた。

許せるほうが相手を許すべきだ。
できる方ができることをして、そうやって支え合っていくべきだ。

そう思っているけど、そうやってグッとこらえて頑張っていることを立て続けに無に帰すような言動を受けて、今はただ、普通ではいられない。

愛情が冷めたわけでもなんでもないけど、時間が必要だ。

スーパー銭湯で23区の夜景を目隠しがわりのよしず?すだれ?の隙間から眺めて、開放感と孤独感と懐かしさを感じた。

前は、ずっと一人だった。
彼氏がいなくて、今考えればわずか1年半いなかっただけなのだが、無駄な肉体関係ばかり繰り返して、
自分って何なんだろうって落ち込んで、1人で生きていく覚悟(笑)みたいなのまで持とうとして。
その時期に、こういう気持ちだったなぁって、懐かしかった。

夫と一緒にいるようになってから、私の生育歴による欠点だとか悩みっていうのがほとんど悪い方向に出ることがなくなって、救われた。
一人でいる時は、「一人でいる」というだけでその辛さが常に噴出してる状態で、辛かった。

こうして思うと本当に、救われているんだな。
たかが1泊離れただけだけど、二人の関係を思い直してみれば、思うことがたくさんある。

どんな風に助けられてるか。どんな風に彼のことが好きで、必要としているか。
どんな風に、今回のことでダメージを受けているか。

どちらも紛うことなき事実。良いところが見つかったから、じゃあ今回のことはチャラになるか、といえばそうではない。
今日帰るけれど、もう少し本当は距離を置きたい。
お互い数日離れて、見つめたほうがいいんじゃないかなと思う。

彼もそういう風に思ってくれたら、一番助かる。
なんの禍根も持たず、笑顔でいたいなぁ。

久々の、猛烈な生きてる感!