凄絶な情愛

今日は 大学の図書館に行って、島尾敏雄の小説を少し読んできました。

桐野夏生「IN」を読みたいのですが、予備知識として、島尾敏雄「死の棘」を読んで
おいたほうが、具合が良いようなのです。
桐野夏生の小説には、そういうのがよくあります。
基本的に、桐野夏生が好きな小説というのは、私にとってもとても魅力的である事が多いので、
いいんですが…

でも古い小説はやっぱり感情移入や、その時代背景を想像しづらく、読みづらいです。
林芙美子の「浮雲」を読んでいたけど、挫折してしまいました。
(これも、桐野夏生の「ナニカアル」を読むための前哨戦だったのですが…)

「死の棘」の破壊力はすごいです。
じりじりとした緊張感がすさまじく、amazonのレビューにもありましたが、
まさに読者の胃壁に穴のあきそうな、精神攻撃に暇のない壮絶な小説です。

読んでいてとても辛い…。
しかし、私はこういった本がとても好きです。
このやりとりは本当にあったのでしょうね。
事実こそがドラマですから。それを、あの息をのむような緊張感を失わせず
よくぞここまで書いたなぁというような、出来です。

古い本は、読むのに体力を使うので、借りることはしませんでした。
家で読もうとして挫折してしまうのは嫌なので。
時々図書館に通って読もうと思っています。

って、小説なんかじゃなく 本当は 卒論のための本を読むべきなんですが…。

でも ここ最近、私の内面世界が広がりを見せていて とても喜ばしいです。
どんなに偏っていようと 私は私のこの世界を、保持し、掘り進めることが
無上の喜びなのです。